法テラスは役に立たない?と言われるデメリットを簡単に解説
皆さんは法テラスという言葉を聞いたことはありますか?テレビCMなどで目にしたことがあるという方もいらっしゃるのではと思います。
しかし、言葉を聞いたことすらない、聞いたことはあるけど何なのか分からない、あまりイメージがよくないなど、色々な意見がありそうですね。
法テラスとは、トラブルで困っている方が法的サービスを受けたり、情報を得られるように、国が設立した法務所所管の公的な法人です。
法テラスは、日本司法支援センターといい、このトラブル、誰に相談すればいい?相談したいけどお金がないからどうすればいい?解決方法が知りたいなど、トラブルに対しての問題解決のお手伝いをしてくれる機関です。
法的問題を抱えて法テラスを知ったけど調べてみてもいろんな情報があって本当にいいものなのか分からなかった。そんな方もいるかと思います。
本記事では今まで法テラスについて何も知らなかった筆者が様々なサイトをみて中立的な立場でメリット・デメリットを解説しました。
法テラスをうまく活用すれば経済的に余裕のない人にとってもかなり助けになります。これから法テラスを利用することを考えている人もメリット・デメリット両方知った上で活用してください。
次のようなお悩みがある方は要チェック!
- 弁護士へ相談したいけど、法テラスは役に立たないと聞いた。本当?
- 法テラスの無料相談だと弁護士が最悪って言ってた…
- 法テラスの評判は?借金で相談だけっていける?
詳しく解説します。
Contents
法テラスとは?一言でいうと、トラブルを法的に解決するための相談窓口
まず初めに法テラスとはなんなのか、どんな業務をしているのかについて解説していきたいと思います。
法テラスとは日本司法支援センターの略称のことです。一般的には法テラスの呼び名で通っています。
法テラスとは一言で言うと相談窓口です。
実際に法テラスに相談して直ぐに問題が解決するわけではありません。あくまで法的なトラブル等の困りごとの時に相談に乗ってくれる総合案内所のようなものと思ってください。
法テラスが設立された背景として、設立前は法的トラブルにあい誰かに相談したい時でも経済的な理由で相談ができなかったり、近くに弁護士がいなかったり、そもそも誰に相談したらいいかが分からず困る人が多かったためです。
法テラスの業務内容
法テラスの業務内容として以下のようなものがあります。
情報提供業務
利用者の相談に応じた、法制度の情報や弁護士・司法書士会・地方公共団体の相談窓口に関する情報などを提供してくれます。
- 法的な問題に悩まされているが相談する相手が分からない。
- 問題の解決方法を知りたい
- どんな法制度があるか知りたい
このような相談ごとにのってくれて、必要な情報をもらうことができます。
民事法律扶助業務
経済的に余裕のない人が法的な問題に悩まされた時に無料で法律相談にのってく れて、必要に応じて弁護士費用や法書士費用の立替払いをしてくれます。
裁判などの手続きの代理や民事事件等の交渉・調停、裁判所に提出しないといけ ない各種書類の作成を弁護士に頼むと合計で数十万円単位の費用がかかります。
そのようなお金を用意できなくても一定の条件を満たせば法テラスが立替払いをしてくれます。
犯罪被害者支援業務
犯罪の被害者の方や、そのご家族に対して法手続きの情報を提供したり損害や苦 痛を少しでも和らげる法制度の情報を提供してくれます。
国選弁護等関連業務
国選弁護人への報酬の支払いや裁判所に国選弁護人候補の通知をする業務です。国選弁護人は法テラスに登録している弁護人の中から選出されます。
※国選弁護人とは経済的な理由で自分で弁護士を用意することができない被害者や 被告人に対して国が用意してくれた弁護士の方のことです。
司法過疎対策業務
地方で近くに法律の相談できる人がいなかったり、法律サービスを受けるのが困 難な司法過疎地域に事務所を置き、地方でも法律の相談事などができるようにす る業務のことです。
法テラスのメリット
法テラスがどんな業務をしているのかを解説してきましたが、次は法テラスを利用する具体的なメリットについて解説していきたいと思います。
無料で相談できる
法テラスの業務内容で解説した「情報提供業務」は無料で利用することができます。特に収入や資産等の条件はなく、誰でも無料で相談できます。
急に法的な問題で悩まされることがあったら不安になり、相談する人も周りにいないかもしれません。どこに相談したらいいかも分からない状態は精神的にもかなりのストレスだと思います。
弁護士等の費用が抑えられる
弁護士に法的手続きを依頼をした場合、相談料や着手金、報酬金・実費等の費用がかかります。
これは法テラスを利用していても、していなくても変わらずに払う費用です。
しかし法テラスを利用した方が費用が抑えられる傾向にあります。
法テラスを通じて弁護士の方と契約すると、「依頼者」と「法テラス」「弁護士」
の三者間の契約となります。
どういうことかと言うと、依頼者は法テラスに弁護士費用を払い、弁護士は法テラスから報酬を受け取る形になります。
弁護士等の費用を立て替えてくれる
弁護士に相談・依頼をすると数十万円単位で費用がかかります。
しかし経済的理由でその費用の負担が重く、支払うことができない場合もあるかと思います。そんな時に条件が合えば、法テラスに弁護士費用を立て替えてもらうことができます。
たとえば債務整理等の問題で弁護士に相談したくても、そもそもお金のことで悩んでいるのにお金を払って弁護士に相談しにいくのは気が重いですよね。
借金があったら、さらに金利を払って借金をしないといけなくなります。
しかし法テラスが弁護士費用を立て替えてくれるので、依頼を諦めなくても大丈夫。しかも金利はないため発生した費用のみ払えばいいのです。
返済方法としては毎月5,000円から10,000円程度返済していくことになります。
大変便利な制度ですが、弁護士等の費用を立て替えてもらうには、
- 収入が一定額以下であること
- 勝訴の見込みがないとは言えないこと
- 民事法律扶助の趣旨に適していること
の3つの条件があります。
条件は世帯人数や家賃・ローンを負担しているかで変わるので自身に合った条件をご確認ください。
無料で弁護士・司法書士に相談ができる
こちらも条件はありますが、弁護士・司法書士の方に無料で相談することができます。
弁護士事務所だと「初回30分無料」などといった事務所もある中で、法テラスだと「1つの問題につき3回までなら無料」で相談にのってくれます。
ちなみに1回の相談は大体30分ほどで、通常の弁護士事務所と大差ありません。
しかし弁護士・司法書士の方に無料相談するには、
- 収入が一定額以下であること
- 民事法律扶助の趣旨に適していること
の2つの条件があります。
条件は世帯人数や家賃・ローンを負担しているかで変わるので自身に合った条件をご確認ください。
法テラスのデメリット
法テラスを利用するメリットはたくさんあり、今直ぐ利用使用としている方もいらっしゃるかもしれません。
しかしデメリットはないの?と疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。デメリットも解説していきます。
弁護士等への相談や立て替えは条件がある
メリットでの解説でも少し触れましたが
- 弁護士・司法書士への3回目までの相談無料
- 弁護士・司法書士費用の立て替え
この2つは収入・資産等での条件があります。
誰にでも使える制度ではないので、自分が条件を満たしているか調べる必要があります。
法的に問題を抱えている時などに条件を満たしているのか調べるのは面倒ですが、条件が合えば費用面の心配が少なく債務整理などの法的措置を依頼できる制度なので、しっかりと調べておきましょう。
申請に手間がかかる
経済的に余裕がない人にとってとても助かる弁護士・司法書士の費用立て替え制度ですが、立て替えてもらうには一定の条件を満たしているかの審査があります。
その審査には以下の書類を提出する必要があります。
- 給与明細(直近2ヶ月分)
- 源泉徴収票
- 資力申告書
- 世帯全員の住民票の写し
- 口座情報が分かる写し
- 事件に関する書類
これは必要書類の一部でほかにも提出する必要がでてくる書類もあります。その場合は臨機応変に対応してください。
借金問題を一刻もはやくどうにかしたい!という方には、少し時間がかかってしまうため不向きかもしれません。
弁護士・司法書士を自分で選ぶことはできない
法テラスで弁護士・司法書士を紹介してもらう場合は、自分でこの弁護士の方にお願いしたいと思っていても選ぶことはできません。
「債務整理に詳しい人がいい!」「離婚の手続きや裁判・調停に詳しい人がいい!」などの希望を聞いてもらえないのはデメリットになります。
法テラスのメリット・デメリットを知りうまく活用しよう
法テラスは急遽、法的な問題に悩まされた人にとってとても助けになります。
経済的に余裕のない人でも弁護士・司法書士に相談でき、経済的にも精神的にも悩んでいる時に心強い味方でいてくれます。
しかしデメリットもあることを認識して活用してください。
急遽、法テラスを活用しても提出するものが多かったりと、直ぐには活用することができません。ましてや精神的に焦っている時に冷静な判断・行動をすることは難しいと思います。
そうならないためにも、今のうちにメリット・デメリット両方を知っておき、法テラスは自分になにをしてくれるのか把握しておきましょう。
また法テラスにお願いする前に、自分の借金がそもそも減らせるのかの可能性を借金減額シミュレーターなどで先に診断しておいたり、無料相談をしている専門家に相談だけでもしておくとスムーズですよ。